山鹿和栗について

西日本一の生産量を誇る山鹿和栗

熊本県山鹿市の栗「山鹿和栗」は西日本一の生産量を誇る代表的な特産品です。秋の味覚の代表ともいえる栗は、8月下旬から収穫が始まります。生産されている品種には、丹沢、筑波、銀寄、利平、ぽろたん、などがあります。

山鹿市で栗の栽培が盛んになったきっかけは、昭和36年の果樹振興法ができ、重点果樹に指定されてからです。

特に菊鹿地域や鹿北地域で昭和30年代後半から40年代初期にかけて、国の農業構造改善事業等により、約50ヘクタールの集団栗園が形成されたのが始まりです。

今では台風等の自然災害の影響を受けなければ、毎年700トン以上の生産量があります。

栗の生産量

その質も全国で認められている

熊本県の栗は全国2位の生産量。山鹿市はその中でも圧倒的に生産量が多く、「山鹿和栗」は、生産量はもとより、その品質も全国から高い評価を受けています。

栽培地の土壌は粘土質のため栄養分を蓄え、質の良い栗が実ります。長い間高い生産量を誇り、需要も全国に広がっているのも、栗のおいしさが認められているからです。

現在、生産量のほとんどは熊本県外に出荷されています。そして、有名ホテルや菓子店など、さまざまなところで使われています。

An自家製「山鹿和栗ペースト」づくりにも着手

近年、西日本一の生産量を誇る山鹿和栗のおいしさを、ここ山鹿市で味わってもらおうと、菓子店やカフェなどのそれぞれのお店等で試行錯誤されています。

山鹿和栗洋菓子店An(杏)では、生産者から購入した栗を、栗むき機で粗むきし、ペーストにする取り組みを始めました。この自家製「栗ペースト」を使用したスイーツを販売するだけでなく、他のお店にも使っていただくような連携も目指しています。

<An自家製「山鹿和栗ペースト」製造の大まかな流れ>

○地元の生産者から栗を購入。

○栗むき機で、栗を粗むきにする。

○傷んでいるところ等を取り除くなどの選別。

○圧力鍋に栗と同量の水とグラニュ糖を入れて煮る。

○フードプロセッサーでペースト状にする。

○裏ごし器にかけ、より細かく、なめらかにする。

○完成。小分けして真空パックに入れて冷凍保存。

少量ですが、栗の渋皮も一緒にペースト状にすることで、より栗の風味が楽しめる、お菓子の材料に合うように工夫しています。まだ本格製造の段階ではありませんが、味や保存期間など、他のお店等の意見も聞きながら、よりおいしい「山鹿和栗ペースト」にしていく予定です。

その他にも「栗の甘露煮」「むき栗」などの商品も開発、流通させることで、一般の人たちだけでなく、いろんなお店でも使用していただき、山鹿和栗の魅力がより多くの人に伝わるような取り組みに広がることを期待しています。

山鹿和栗の魅力をもっと発信していく取り組み

地元では、栗のブランド化に向けた取り組みも盛んに行われています。毎年9月の秋分の日に開催される「あんずの丘マロンフェスタ」は、栗をテーマとした食のイベント。毎回1万人以上の来場者があり、山鹿の栗のさまざまな魅力を伝えています。

最近では、山鹿市内の地域や団体が連携して「西日本一の栗まつりウィーク」という取り組みに発展しています。西日本一の生産量を誇る山鹿和栗の魅力を多くの人に伝える活動は、“日本一”を目指しています。

その他にも、菓子店や飲食店等が栗を使った和洋スイーツを期間限定で販売し、スタンプラリーを同時に行う「山鹿和栗スイーツフェア」なども行われています。

「山鹿和栗」は、山鹿市で今最も元気のある農産物の一つです。生産、加工、販売、それぞれが連携し、全国へとその思いを発信しようと、多くの人が取り組んでいます。山鹿市の栗の魅力に触れる機会があれば、ぜひ味わってみてください。

sweetsfair2

クリックでページ移動→

山鹿和栗の主な品種

利平りへい

収穫時期
9月下旬〜10月上旬

黒い果皮が特徴の人気品種。果肉は淡黄白色で、甘みと香りが強い。

銀寄ぎんよせ

収穫時期
9月下旬〜10月上旬

筑波と並ぶ山鹿和栗の代表格の品種。やや小玉で、果肉は白色。きめ細やかな舌触りで風味豊か。甘みも多い。

筑波つくば

収穫時期
9月下旬〜10月上旬

山鹿市で最も生産量が多い品種。外観はツヤがあり、しっとりとした肉質と甘みが特徴。

貯蔵性が良く、加工用原料としても使用される。

丹沢たんざわ

収穫時期
8月下旬〜9月上旬

最も早く収穫される品種で、三角果形が特徴。

早生種の中では甘味が多く、品質が良い。